検査科について
検査科の業務
病院において『臨床検査』を実施している部署です。
『臨床検査』とは、いろいろな計測技術を利用して、生体の変化をとらえることです。
検査科の概要
心電図など患者さんのからの情報を直接測定する“生理検査室”と患者さんより採取された血液や体液などを用いて検査する“検体検査室”の二部門からなり、臨床検査技師免許を有する10名の技師により検査が実施されています。
また、院内に医師を委員長とする検査科運営委員会が設置され、臨床検査の適正化と効率的な業務推進が図られています。
運営方針
精度の高い検査データを提供し検査に関わる情報提供および事故防止に努めます。
特色
- 1.検査室のシステム化
- オーダリングシステムおよび検体バーコードラベル運用により、各外来および病棟にてコンピューターにて検査依頼を入力することにより、リアルタイムで検査依頼からデータ報告までを迅速かつ正確に処理します。
- 2.緊急検査への迅速対応と、24時間検査体制
- 救急疾患や患者さんの急変に対応すべく輸血検査を含む緊急検査を24時間対応しています。
- 3.緊急異常値報告(パニック値報告)体制
- 検査値が患者さんの生死に関わるような異常な結果もしくは、データが直ちに治療に直結する結果の場合は、直ちに主治医に報告しています。
- 4.精度管理の実施
- 他病院の検査データを比較する外部精度管理(全国・県レベル)や始業時等に行う内部精度管理、個々患者さんのデータによる異常値チェック、前回の値と比較する前回値チェックなどを実施した上で精度の高い検査データを提供しています。
- 5.検査関連情報の提供・各種委員会への参加
- 最新の検査項目案内等の検査関連情報や感染情報、栄養評価指標などを提供し、情報発信に努めています。
検査業務のほかに、院内感染対策(ICT)、栄養管理サポート(NST)、糖尿病委員会に検査のスペシャリストとして関わっています。
生理検査室
心電図、脳波、呼吸機能、聴力検査、心エコ―、トレッドミル心電図、睡眠時無呼吸症候群検査、24時間ホルター心電図・血圧測定、ペースメーカーチェックなどを実施しています。
生理検査室内に医師緊急呼び出しベルや救急設備を設置し、患者さんの急変に対応できる体制になっています。

検体検査室
一般検査

痛みを伴わず簡単に採取できる尿や便は、各種疾患のスクリーニング検査や健診項目として広く実施されています。
特に検尿では糖尿病・腎機能障害・尿路感染症、便検査では便潜血は大腸癌検査としてでは欠かせない検査となっています。
その他検査として寄生虫検査、髄液・胸水腹水・関節液などに関する検査を実施しています。
血液検査
血液中の赤血球や白血球など細胞成分の算定や分類を検査し貧血や炎症・白血病などの診断に欠かせない検査です。
その他検査として血液をつくる大元である骨髄検査や血液の出血や止血の異常を調べる凝固・線溶検査などを実施しています。

生化学検査・免疫学的検査
血液中の生化学成分(酵素・たんぱく質・脂質・糖質・電解質・薬物濃度など)の定量分析を行います。
肝機能、腎機能など主たる臓器の機能異常の診断には欠かせない検査となっています。
検査に当たっては、大型多項目自動分析装置を用い、約50項目の検査を同時に30分以内に検査でき、検体検査の中心をなしています。
また、B型・C型肝炎やエイズなどのウイルス検査をはじめ、梅毒、マイコプラスマ肺炎など感染症に関する検査と人体の炎症・壊死関連物質やリウマチ・膠原病など自己免疫性疾患や妊娠ホルモン検査を行っています。

細菌検査室
細菌感染症の原因菌を調べ、使用する薬剤を決定する為に薬剤感受性試験(薬の効き具合を調べる)などを実施しています。また、インフルエンザやノロウイルス、A群溶連菌などの迅速検査なども行っています。
さらに院内感染を防止する為に院内感染対策チーム(ICT)に参加し、院内感染対策にも積極的に取り組んでいます。また、感染情報の提供などの業務も行っています。

輸血検査室
手術や大量出血などはもちろんのこと、重症の貧血でも輸血は行われます。
患者さんの血液型や血液型に関わる適合性をチェックする不規則抗体検査、交差適合試験などを実施すると共に輸血製剤の管理も含んだ輸血業務の管理も行っています。
